乗鞍岳をのぞむ、雪に埋もれがちな岩滝地区で百姓である私はいつまでもどこまでも黒い土を耕し、土を愛し、万物の生育に賛じて、だまって生きていくべきと信じている。鍬の人であり、働く者と信じている。
近年、岐阜大学の堀内先生から雑穀について、松本先生には郷土愛を教わり、そして、冬の伝統行事二十四日市に市民企画でかかわる飛騨高山まちづくり本舗のスタッフと出会い、「耕す」「食す」「育つ」「結う」のテーマが連動しはじめた。
これまで元気にやってこられた百姓観。このテーマに出会ってから先祖代々大事に受け継いできたこの棚田は、未知なる何かが生まれる可能性のある場としての想いを強くした。私ができることは、棚田で鍬をふるいながら、山川草木とともにあるくらしの恵みや知恵をこどもたちや若い世代とともに享受し伝えること。今まさに「土に叫ぶ」こんな大それた気持ちを抱くにいたっている。